わたし、本当にコンプレックスの塊。自分に自信が持てることが何一つ見つからない。
こうやって頭をひねらせてる間にも口寂しくて、ドロップ舐めてる。幼稚。
そういえば、何かを口に入れていないと不安になるのは、幼少期の愛情不足が原因だって、何かの本で読んだ。お父さんもお母さんもわたしを愛してくれているのは分かっていたけど、共働きで忙しかったからずっと鍵っ子で、いつになったら帰ってくるんだろうって、時計とにらめっこしながら泣きべそかいてたあの頃は、お家でお母さんが待っていてくれる友達が本当にうらやましかったな。
自分に自信が持てないから、わたしは精一杯武装する。ファッション雑誌を念入りにチェックして、定期的にお買い物して、外に出掛ける時はちゃんとメイクして、靴も磨いて、髪がはねたりしてないか再度確認。これでようやく戦闘態勢整う。
でも、鏡に映ったわたし、うまく笑顔が作れない。頑張って二って笑おうとしても、どっか引きつってる。どんなに完璧に着飾って武装してみても、心までは取り繕えないんだな、なんて思ったり。
でも、こうでもしないと外に出て行く勇気さえ出ないんだよ、わたし。ちっちゃいな、弱いな、わたし。無意識のうちに下ばっか向いて歩いててさ、ヒトと目を合わせらんないの、わたし。びくびくして、おどおどしちゃってさ。
家に帰ってくると、いっぺんに武装がはがれちゃって、精一杯の笑顔も崩れちゃって、本当の自分が顔を出す。どうしようもなく不安げな自信なさげな顔した情けない自分。
こんなわたし見せても、離れていっちゃわないかな。